株式会社アビーとの共同研究契約締結のお知らせ
リジェネフロ株式会社(本社:京都市左京区、代表取締役:石切山俊博、以下「リジェネフロ」)はこのたび、株式会社アビー(本社:千葉県流山市、代表取締役社長:大和田哲男、以下、「アビー」)と共同研究契約を締結いたしました。
本共同研究契約は腎前駆細胞を用いた細胞治療のための非臨床試験用・臨床試験用サンプルの製造プロセス開発を目的とするもので、アビーとは凍結保存プロセスの開発を進めてまいります。
リジェネフロは、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)増殖分化機構研究部門の長船健二教授の研究成果を基に、2019年9月に設立されたベンチャー企業です。長船教授は腎前駆細胞の存在を世界で初めて発見したのを皮切りに、iPS細胞から腎前駆細胞を高効率に作製する技術の確立などに成功してきました。
社会の高齢化とともに慢性腎臓病(CKD)に苦しむ患者さんは右肩上がりで増加しており、CKDの患者数は日本の成人人口の13%、約1,300万人に達しています。CKDの治療に有効な医薬品や治療技術は、深刻なドナー不足の問題を抱える腎移植を除いて、現時点ではほとんど存在せず、対症療法を施すしかありません。CKDが悪化すると人工透析が必要になりますが、人工透析の患者数も年々増加しており、その医療費は年間1兆5,000億円を超えています。CKDの症状を改善し人工透析患者を減らすための技術の開発は、社会的急務となっています。
長船教授が発明したiPS細胞由来腎前駆細胞は、動物実験において腎障害を改善する効果を示しています。リジェネフロは今後、iPS細胞由来腎前駆細胞を有効成分とする細胞医薬の実用化に取り組み、CKDを適応症とする承認取得を目指します。
株式会社アビーは、独自開発した世界初の「細胞を生かす装置」として「CAS(Cells Alive System)エンジン」を開発し、企業や大学、研究機関等と積極的に共同開発を行っています。特に医療分野での発展は目覚ましく、歯根膜の移植医療への実用化、ヒトiPS細胞由来神経前駆細胞の凍結保存技術の確立および生体肝移植に代わる移植再生治療法の確立など様々な成果を上げています。さらに、その技術を食品分野へ応用し、CASエンジンを既存の急速凍結機に取り付けることにより、「生の素材と変わらない」状態に戻す技術開発に成功しています。
リジェネフロはこのたびのアビーとの共同研究契約の締結により、分化誘導・拡大培養・凍結保存それぞれの製造プロセス開発をパラレルに進めることで開発スピードの促進を図るとともに最終的に一貫生産に繋げていく事を狙っております。腎疾患に苦しむ患者さんの生活の質(QOL)を改善し社会に貢献するという使命のもと、リジェネフロは事業を推進してまいります。
<リジェネフロの概要>
リジェネフロ株式会社
代表取締役:石切山俊博
住所:京都府京都市左京区聖護院川原町53
京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター棟
事業内容:腎疾患治療薬の研究開発・生産・販売
設立:2019年9月
URL:https://regenephro.co.jp
<アビーの概要>
株式会社アビー
代表取締役社長:大和田哲男
住所:千葉県流山市おおたかの森東 1-12-1
事業内容:CASエンジンの開発・製造・販売、急速凍結機の開発・製造・販売、調和 振動保管庫の開発・製造・販売
設立:1989年2月1日
URL:https://www.abi-net.co.jp/
<本件に関するお問い合わせ>
山口勝久(CFO/管理本部長)
TEL:075-708-3275
E-mail:info@regenephro.co.jp